大和川の氾濫(水害時)における避難情報の問題点

2021年9月1日防災の日に配布され、住之江区のホームページに掲載されています『行政からの水害時における避難情報の伝え方(警報レベル)』を以下に示します。

ここに示されていますように、避難情報はファミトーに近い遠里小野観測所よりもずっと上流(河口からの距離17km)の柏原観測所の水位をもって発令されます。
これは上流で増水し下流に流れてくるまでの時間を考慮して計算されています。
大阪市右岸に位置する住吉区、東住吉区、平野区も同様の考え方で発令されます。

このように上流の情報を考慮し、下流の地区にいち早く避難情報を伝えていただけるのはありがたいことです。
しかし、ここに大きな問題が考えられます。
 柏原の水位が4.7m未満なら、下流に位置する住之江区(住吉区、東住吉区、平野区)は安全なのか?という疑問です。


  そこで、ファミリートーク新北島の少し上流にある遠里小野水位観測所と柏原水位観測所の過去の水位を見てみます。
資料は国土交通省大和川河川事務所 平成29年11月3日発表の『台風21号と前線による 大和川における大雨の概要』より抜粋しています。

  特に昭和57年台風10号の値を見ていただくとわかると思いますが、遠里小野では計画高水位を1.0m以上超えて危険な状態(警戒レベル5緊急安全確保)であるにも関わらず、柏原での水位は4.64mで上の図にありますように4.7m以下なので、避難情報は発令されないということです。
  同様に平成29年台風21号の時も遠里小野での水位は6.43m(計画高水位を0.43m超えている)に対して
柏原での水位は5.78m(新北島では上図での警戒レベル4)
河口部では海水の干満も影響することも考慮する必要があります。
※計画高水位:河川整備の目標としている水位。この水位以下の水を安全に流すよう堤防は設計される。国交省鳥取県河川国道事務所より引用

 このように柏原水位観測所での水位をもって大和川下流に位置する大阪市各区の避難情報発令基準をカバーできるものとは思えません。
台風、前線、低気圧、ゲリラ豪雨、線状降水帯等の水害に備えて大和川の水位には注意し、速やかに避難できるよう心がけましょう。