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2000年3月19日

 ペット委員会答申
ファミリートーク新北島管理組合法人
 理事長 澤 田 允 孝 殿

ファミリートーク新北島
ペット委員会

ペット委員会答申
−ペット飼育のルールづくりについて−

 去る平成11年10月31日に貴職より諮問のありました、当ファミリートーク新北島におけるペット飼育のルールづくりの具体案につき、都合六回にわたり慎重且つ大胆に話し合い、ペットとの新たな秩序ある共存と、より豊かな住環境の整備にむけて、完全とは言えないまでも、一定の到達点に至りましたので、以下のとおり答申致します。

T ペット問題の経緯と位置づけ
 当ファミリートーク新北島管理組合は、昭和60年1月22日、当時の組合員数63名中60名が出席して開催された設立集会で発足しましたが、この最初の集会では、ペットの飼育に関し、(小鳥・金魚はともかく)犬・猫等は一切禁止である旨が、売り主である大阪市住宅供給公社から示され、ここに出席していた組合員は当然のこととしてこれを受け入れ、ペット禁止の合意が形成されたのでありました。
 しかしながら、如何せん当管理組合規約やその他の諸規程にはペット禁止の文言が全く存在せず、その後入居者が増えるに従って、ちらほら見受けられるようになった犬・猫等に対して、効果的な対応を採らなかった結果、事実上ペットを容認しているのと同じ状況に至り、そのため、糞尿・鳴き声・臭いその他諸々の問題が生じて来ました。
 一方で、マンションではペットは厳禁が常識であった10数年前と現在とでは、マンションにおけるペット飼育に関する考え方にも変化が生じています。一戸建てでもマンションの専有部分よりも小さな土地に近接し合って密集する家々の中で勝手気ままにペットを飼う者がいる場合、いくら地域住民で規則をつくっても、ペットの飼い主に強制力を持たせることはできませんが、マンションの場合は、法律上区分所有者全員が組合を構成し、自治的に制定した規約その他の規程によって、組合員や居住者にルールを守ってもらうことができます。敢えて言うならマンションこそペット規則にふさわしい法律的環境にあると言う事ができると思うのであります。
 そのような中で、我々ペット委員会は、単にペットを公認するためだけにルールをつくるのでもなければ、むやみやたらと厳しくしてペットを事実上飼えなくすることが目的でもなく、飼い主もペットを飼っていない人もマンションの居住者みんなが、ペットとの秩序ある共存により、豊かな住環境の下での生活をおくるためのルールづくり。を基本方針として検討を開始しました。

U 議論の進め方
 何か体系的にまとまったモデルを基礎に審議する方法が、合理的で且つ迅速に議論を展開できると判断し、「集合住宅における動物飼養モデル規程(平成7年10月東京都衛生局)」を中心に具体的検討をすすめ、他のマンションの具体例も参考とし、これに当マンションの実情に合った修正を加えるといった方法で審議を進めました。

V 当委員会の提案
 1,飼い主の守るべき事項
  (1) 基本的な事項
ア 動物は、自己の居室(ベランダ・専用庭を含まない)で飼うこと。
イ 自己の居室以外で排せつをさせないこと。
  ベランダ・専用庭・廊下・階段・エレベーター等共用部分及び敷地内のいかなる場所でもさせないこと。
  もし万一排せつした場合は、ふん便を必ず持ち帰るとともに、衛生的な後始末を行うこと。
ウ 動物の異常な鳴き声やふん尿等から発する悪臭によって、近隣に迷惑をかけないこと。
エ 動物は、常に清潔を保つとともに、疾病の予防、衛生害虫の発生防止等の健康管理を行うこと。
オ 犬、猫には、必要な「しつけ」を行うこと。
  【注:「しつけ」に関する知識の普及や啓蒙は、後述する「飼い主の会」において、恒常的に行われな
    ければならないものである。従って、具体的な「しつけ」の内容は、答申には盛り込まない。】
カ 動物による汚損、破損、傷害等が発生した場合は、その責任を負うとともに、誠意を持って解決を図ること。
キ 地震、火災等の非常災害時には、動物を保護するとともに、動物が他の居住者等に危害を及ぼさない
  よう留意すること。
ク 動物が死亡した場合には、適切な取扱いを行うこと。
ケ 犬を飼う場合は、必ず狂犬病予防法第4条に規定する登録をするとともに、毎年、同法第5条に規定する
  予防注射を行わなければならない。 
  (2) 他の居住者等に配慮する事項
ア 自己の居室以外で、動物の毛や羽の手入れ(シャンプー等を含む)、ケージの清掃等を行わないこと。
イ 動物の毛や羽の手入れ、ケージの清掃を行う場合は、必ず窓を閉めるなどして毛や羽等の飛散を防止すること。
ウ 廊下階段エレベーター等の共用部分及び敷地内では、動物を抱きかかえ又はケージ等に入れ移動すること。
エ エレベーターを使用する際は、
  @ 乗降が多い時間帯の使用は、他の居住者に充分配慮すること。
  A ペットを連れている人は、同乗者(後から乗る人を含む)に必ず了解をとること。
  B 同乗者がいるときは、ペットの顔を壁の方へ向ける等、迷惑がかからないよう配慮すること。
オ 他人の専有部分・ベランダ・専用庭等には、侵入させないこと。

 2,居住者が飼うことのできる動物の種類及び(一戸当たりの)数
  (1) 飼ってもよい犬の大きさについては、成犬を抱えられる大きさとする。
 (体重、種類等では線引きが困難であるので)
 【注:誰(大人か子供か)が抱ける大きさかについてであるが、本答申においては、共用部分では必ず抱くことを
  原則としており、散歩時に連れて出る「者」が抱ける大きさである。当然、客観的に大きさを定めたものではなく、
  飼い主の主体的な能力によって大きさも決定される。】
   (2) 現存する抱きかかえられない大きさの犬に関しては、本則には記載せず、附則等の特則をおく。
1,一代限りとする。
2,専有部分以外の場所では、紐等でつなぎ、飼い主の体にぴったりつけて   歩行させること。
   (3) 盲導犬、聴導犬、介護(助)犬等の動物には、ペットに関する規則を適用しない。
   (4) 飼ってもよい動物は、犬、猫、小鳥、ハムスター、亀、魚のみとし、その他の動物は禁止する。
 但し、その他の動物を飼育しようとする場合、事前に管理組合(理事会)に許可を求めることができる。
その際には、小鳥・ハムスター等以上の悪影響がないことを、飼育しようとする者が証明しなければならない。
犬猫については、総数で2頭(犬2、猫2または、犬猫各1)までとする。
   【注:2頭まで認めた理由は、既に複数飼っている世帯が10数戸に達している。他に迷惑をかけないことが
     重要で、自己で責任が負えるなら、1頭に限定する必然性はない。一方で、自己責任にも限界があり、
     両腕で抱えても2頭が限度。
      なお、以前のアンケート時には、他に「うさぎ」の飼育が確認されているが、周囲に及ぼす悪影響が
     重大であり、禁止することとした。     但し、「一代限り」を適用する。】
 3,飼い主の会
  管理組合の指導の下に、「飼い主の会」を設ける。
  「飼い主の会」は、犬と猫の飼い主全員及びその他の入会を希望する居住者で構成し、会則を定め、適正な
   運営を図る。  「飼い主の会」の役割は、次のとおりとする。
   (1) 会員相互の友好を深めるとともに、動物の正しい飼い方に関する知識を高め、広めるよう努めること。
   (2) 住宅内の共用施設や住宅周辺の環境及び衛生の保持に努めること。
   (3) 動物を飼おうとする居住者の相談窓口となること。
   (4) 飼い主が自ら解決することが困難な問題が生じた場合には、その飼い主や管理組合とともに適切な解決を
     図ること。
   (5) この規程に違反した飼い主に対し、適切な飼い方等を指導すること。
   (6) 管理組合に対し、会の組織及び運営状況について適宜報告すること。
    【注:役員構成や、会費の有無については、「飼い主の会」の自主的な判断にゆだねる。】
 4,苦情の処理、罰則
 管理組合、町会、「飼い主の会」から各2名で構成する「苦情処理委員会」を設ける。
 「苦情処理委員会」は、居住者からペットに関する苦情を受けて、実態を調査し、その是非を判断し、苦情が妥当
であると判断すれば、飼い主に対して警告を行う。同一の飼い主が一年間に3回警告を受ければ飼育を禁止する。
 5,登録
 犬、猫、小鳥、ハムスター及びその他管理組合が許可した動物を飼育し始めた居住者には、速やかに登録する
ことを義務づける。既存のペットに関しては、ペットに関する規則施行後速やかに登録すること。
 登録事務は、管理組合が行い、台帳を整備する。管理組合は、登録するとこれを「飼い主の会」に報告する。
 登録事項は、次の様な項目が考えられる。@住戸番号、A飼い主の氏名、Bペットの名前、Cペットの
 生年月日(判る範囲で)、D種類、E性別(判る場合)
 登録申請書には、申請人の誓約書(規則を遵守し、他人に迷惑をかけない旨を記述)を添付するものとする。
 登録は、適宜の手数料を要するものとする。
 登録済みのペットを飼わなくなったときは、飼い主はその旨を管理組合に届け出る。
 飼い主は、管理組合が発行する標識を、他の居住者が見やすい場所に掲示しなければならない。
W 結語
 当委員会に課された任務は、本答申により終了し解散することとなりますが、当委員会は、本答申は議論の
終着点ではなく出発点であると認識しています。今後、理事会や総会において、本答申をたたき台として議論が
重ねられ、組合員の総意による、より良いルールが実現することを切に望むものです。
 さらに、運用開始の後は、ルールを遵守することは勿論のこと、もし、不備があれば正し、状況が変化すれば
敏速に対処していくことが求められ、管理組合にとっても、組合員や居住者一人ひとりにとっても、不断の努力
が必要であることを申し添えて、結びに替えさせていただきます。
つづき